
ゴリゴリの国②
~LATERAL THINKING~
~回想~
私は今をときめく、花の女子大生ひなた。
4年生になり、
人生最後のモラトリアムを謳歌している。
毎日が全部楽しい!!!
きらめくキャンパスの広場の真ん中で、叫んだ。
「今、私はさいっこーにパリピしているぞーーーーー!」
でも、そんな私にも悩みがあった。
「今」を生きすぎたせいで
ちょっとでも複雑な問題になると、
思考停止してしまい…
奇想天外すぎる方向へと、暴走超特急してしまうことだ。
…そうなってしまえば私は、断固として考えを変えずにいつも失敗する。
そんなある日、
私はQRコードが貼られた1枚のビラを目にする…
【2019年度会員の集い クルー募集中!】
――――――――――
それからいろいろあり…
次の星へ飛び立った私たちは
宇宙船で優雅な時間を過ごしていた。
そんなとき、
突如としてアラートが鳴り響いた。
![1334303[1].gif](https://static.wixstatic.com/media/a1d8c8_62d9b8c0fe7c4ff8bc6042c8e11da16b~mv2.gif)
『WARNING! WARNING!』
『深刻な異常が発生しました。直ちに不時着します』
ズドガガガガーーーーン!!!!
・・・
揺れが収まり、宇宙船のハッチを開けると、
そこはジャングルだった…

な… 何を言っているのか
わかんないと思うけど、
わたしも 何があったか わからなかった…
とりあえず周りを確認すると、
遠くのほうにお城が見えた。
キャプテン「誰か居るのかもしれない。行ってみよう!」
私は、キャプテンと仲間たちとともにお城へ向かった。
城へ辿り着くと、
目の前には大きな扉があった。
キャプテン「誰か―、誰かいないかー。」
…返事はこない。
私たちは、扉を開けて中に入ることにした。
(中は暗い…)
(何もないな…)
戻ろうか…
そう思った時、誰かが声を上げた。
「あっ、扉が…」
振り向くと、開いていたはずの扉がどんどん閉まっていく。
「やばい、お願い間に合って!!!」
私たちは懸命に走る。しかし…

扉は、バターンと大きな音を立てて閉まった。
(閉じ込められた…)
そう思った瞬間、明かりがつき、何者かの気配がする。
そこにいたのは、なんと…
ゴリラであった。
![th_shoulder_gori[1].png](https://static.wixstatic.com/media/a1d8c8_e7e3d2f692fc4341bdf15720a3298aa4~mv2.png/v1/fill/w_600,h_600,al_c,q_85,enc_avif,quality_auto/th_shoulder_gori%5B1%5D.png)
何かって?それは即ち、ゴリラであった。
…大事なことなので3回言います。
『ゴリラであった。』
唖然とする私たち。
すると、ゴリラが喋った!!!
スペースゴリラ「ここは、ゴリゴリの国。
見慣れぬ者だな…お前たちは、何者だ。」
キャプテンが率先して説明する。
キャプテン「わ、私たちは、
全日本ろう学生懇談会の宇宙プロジェクトで…」
怯えながら話すキャプテンにゴリラは言う。
スペースゴリラ「御託はいい。
重要なのは、お前たちが仲間であるか否かだ。
我々の仲間ならば、知能指数が高いはずである!
お前たちはそれを証明しろ!」
知能指数!?!?
しょ、証明しろと言われても、どうすれば…
スペースゴリラ「どうすれば?うーむ、それは謎解きだ!」
謎解きなの!?!?
私、複雑な問題 苦手なんだよなあ…
こうして、私たちへの試練が始まった。
・・・
無事にスペースゴリラの試練を乗り越えた、私たち。
ゴリラから仲間認定を受け、ゴリラの王族と謁見する…
ゴリラキング「そなたたちの知能、素晴らしいものであった。
ふむふむ、なるほど…
宇宙船が不時着したのか。
ふーむ、これは燃料不足だな。
どれ、直してやろう。」
宇宙船修理中、私たちはゴリラキングからあることを教わった。
ゴリラキング「ここでの試練に必要であった資質は、
ラテラルシンキングと言う。
そなたたちは、生存するうえで必要なこの力を
知らず知らずのうちに身に着けていたのだな…」
かくかくしかじかで、
宇宙船を修理してもらい、
補給物資を受け取った私たちは、
さらなる星を見に行くために、飛び立つのであった…
~回想・完~